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YUTO SUZUKIYUTO SUZUKI

会社を出たから気づけたこと。
旅行商品の、
地域における意義と責任。

すべてがストップしたコロナ禍で
立ち止まっていられず、出向。

入社以来、名古屋バス旅行センターで宿泊バスの手配、名古屋テーマ旅行センターでカルチャー系テーマ商品の企画・手配、新規テーマ開発の担当をしていました。新型コロナウイルスの流行。旅行需要はかつてないほど落ち込み、「何も仕事がない」とまで言えるような状況でした。やるせなさ、もどかしさ、悔しさ。一寸先も見えない暗闇でもがくような日々が続きました。しかし、苦しいのは自分やクラブツーリズムだけではありません。人の移動が制限されるということは、地域経済にも大きな打撃があります。旅行事業は、魅力的な観光地があるから成り立つ仕事。今まで弊社が計り知れないほどお世話になった地域に対して、今の自分は何ができるだろう。一度会社の外に出ようと決めて公募に手をあげ、静岡県富士市の富士山観光交流ビューローへの出向が決まりました。

旅行商品が地域に与える影響の大きさを、
自分ごととして感じた。

地域の魅力をお伝えするという目的は同じでも、外からお客様を地域に送り出す旅行会社の仕事と、地域の中から人を呼び込む出向先の仕事はまったく違います。右も左もわからない環境で、新しい仕事に挑戦するのは不安でしたが、そんな私に付き添ってさまざまな地域施設を回ってくれたり、既存の観光地の歴史的な背景を教えてくれたりして、仕事の土壌を整えてくださった出向先の職員さんの温かさ。働く中で、見えてきたことがたくさんありました。地元の方々は「クラブツーリズムの旅行商品には『テーマのある旅』を中心とした企画力や集客力があり、地域振興につながっている」と本当に期待を寄せてくださっていること。地域の課題の中には、旅行商品の内容によって解決できるものがあること。

一方で、地域が売り出したいコンテンツと、実際の商品として売り出されたコンテンツにギャップが生まれてしまうケースがたびたび起きてしまうという問題も。クラブツーリズムは地域とどう向き合い、どのように対話をし、いかに貢献していくべきか、自分たちの仕事の意義と責任について今まで以上に深く考えられるようになった経験でした。だからこそ、社員が出向して地域目線を獲得する機会が、もっと社内で増えて欲しいと思います。

地元の人が楽しめるかどうか。
共創の成功は、それに懸かっています。

2022年2月、ビューローの一員として富士山ランタンフェスティバルを開催しました。無病息災を祈ってカラフルなランタンを夜空に浮かべる美しい光景は圧巻の一言。計画段階では「市外や県外から参加者がたくさん来て、富士市の魅力を知って帰ってもらいたいね」と話していたのですが、実際の参加者はほとんどが地元の方でした。ところが、この盛況ぶりのおかげでイベントの様子が新聞で取り上げられ、結果的に、当初に期待していたよりもずっと多くの方に周知していただくことができました。闇雲に外から人を呼び込むだけでは、地域共創はかえって遠のいてしまう。地域共創を実現するためには、まず地元の人と向き合い、地域の中を盛り上げる。それがもっとも人を惹きつけると知りました。出向先での仕事は終わり、今はまたクラブツーリズムに戻ってきました。2年間で学んだこと、気づいたこと。初心を大事にしてこれからの仕事に全力で挑みたいです。

TOPICS

仕事をするうえでのポリシーは?

感謝を忘れず、伝える。
旅行という商品は、参加してくださるお客様がいて初めて仕事として成り立ちます。そして商品に関わる地域の関係者や地元のお店など、本当に多くの方の支えがあって実現します。だからこそ感謝の気持ちを常に持ち続けることがポリシーです。しかし、思うだけでは伝わりませんから、お客様にも関係者の方にも、声に出して言葉にして「ありがとう」を伝えています。
その場所の楽しみ方を、
思い込みで決めつけない。
今年度は富士山観光交流ビューローと共同で「富士下山のすゝめ」というテーマの商品を作っています。登るのではなく、あえて下ることに重きを置いたルートの商品です。もっと気軽に富士山を楽しんでいただきたい。登るのが辛い方や、人が少ない場所を好む方、景色や生えている野花をゆっくり見たい方もいるだろう、と考えて作りました。固定観念にとらわれず、新しい土地の楽しみ方を模索するのも、旅行業の仕事だと思います。
自分の好きも大切に。
鉄道が大好きなので、「自分が乗りたい!」と思う電車をひたすら組み合わせた商品を作ったことがあります。トレンドの観光列車を組み込むこともあれば、予約が取りにくい電車を組み込むことも。「好き」が仕事になるのはやっぱり嬉しいですね。